育苗箱って?
みなさんは、育苗箱を使っていらっしゃるでしょうか。
育苗箱は、プラスチックでできた、区切りの無い四角い箱で、サイズは各種あります。
底は網目になっていて、直接土を入れて使います。
この育苗箱、とっても便利なのですが、使い方を間違えると植物がうまく育たず、とても残念なことになってしまうんです。
育苗箱を使っていて、「なんだか調子が悪い・・・」って思っている方は、使い方を見直してみませんか?
育苗箱を使うメリット
育苗箱は、その名のとおり、種をまいたり、葉挿しや挿し木をしたり、小さな苗を育てるための箱です。
清潔なプラスチック製品は、病気などの感染リスクも減らせて、小さな株がストレスなく根を張ることができるようになっています。
また、規格がそろった四角い箱は、置くスペースを、すき間なく有効に使うことができます。
育苗箱のデメリット
同じ時期にまいた種でも、ある程度育てると、このように
生育の違いが出てきます。
株周りのスペースにもバラつきがあり、このまま育てると、小さな株が大きな株に負けてしまうのは、一目瞭然ですね。
また、大きな株は根も張れず、きゅうくつな状態に・・・
このように、生育にバラつきが出るのが、育苗箱のデメリットです。
鉢上げすることが、とても大事です
では、ここで植え替えしなくてはならないことは、みなさんも当然知ってるはずですね!
ここで重要なことは、きちんと鉢上げするということです。
サイズの合った鉢に、それぞれ一つずつ植え替えることが重要なんです。
決して前と同じように、大きくなった株を、また育苗箱に並べて植え直す、ということはしてはいけません。
スペースを、無駄なく使えて置ける、便利な育苗箱。
ついつい、もう一度使いたくなるかもしれませんが・・・
なぜ、大きくなった株を、ふたたび育苗箱で育てるのがダメなのか。
育苗箱は浅い箱です。
また、大きく育った株は、生長とともにどんどん根を張っていきます。
浅い箱の、となりの株との共有スペースで、根詰まりを起こし、水や肥料も奪い合うことになります。
そして育苗箱は、全部の株の共有スペースになるので、個別に管理することもできません。
水の乾きぐあいが違っても、ひと株にだけ水をやるのは難しいのです。
この株だけ、ちょっと置き場所を変えてみたい、なんてこともできません。
ひとつひとつ、健全な株に育てることが、難しくなるのです。
もし、ずっと育苗箱で育てている方は、株の色や形を確認してみましょう。
赤くなってないでしょうか?
いじけた形になってないでしょうか?
生産者はどうするか
生産者は、育苗箱の苗の状態を見極め、きちんと鉢上げして、生育をそろえています。
「生育をそろえる」ということは、ひと株ひと株の状態によって、管理方法を変えて育てるということです。
スペース問題もありますが、育苗箱は、あくまでも小さな苗を育てる場所です。
種をまいたり、葉挿しをしたり・・・
こんな便利な育苗箱を使わないテはありません。
大きくなれば、早めに鉢に植え替えて、管理してあげるのが、良い苗の作り方ですね!
手間はかかりますが、ひと鉢ずつ愛情をかけて育ててみてくださいね。